ベーレンプラッテさんからフランス地図レーベルとしては最高の部類に入る盤質を提供していただいた。
イヴ・ナットのベートーヴェン/ピアノソナタは初めて聴く。ドイツ的な演奏とは一線を画する新鮮な印象を持った。近いうちに同演奏者で、ベートヴェン/ピアノソナタ全曲を聴いてみたい。15番田園や最後の3ソナタはどんな感じかな?楽しみである。
最近の新譜LPレコードはややもするとデジタル臭さを感じることがあるが、当盤については内田光子の繊細で陰影のあるピアノをラトル/ベルリンフィルが支えており、アナログレコードの良さを充分に伝えていると思います。(特に緩徐楽章において)
価格面で購入を躊躇したが(笑)、極めて満足感の高い盤であると考えます。
グリュミオー、ペリチアのヴァイオリンとビオラによる二重奏。モーツァルトとホフマイスターの流麗で華やかな佳曲集。ホフマイスターはモーツァルトやベートヴェンとほぼ同時代で交流があったそうである。モーツァルトに似た作風であるがこの盤においてはトリッキーでリリカルな感じ。
ベーレンプラッテさんからの盤は完璧。愛聴盤の一枚としたい。
ベーレンプラッテからの盤質はいつも通り非常に良い。昨年87歳で亡くなったミシェル・コルボのバッハ/小ミサ集。手兵のローザンヌ声楽アンサンブルを主導した演奏。エラートの洗練された奥行きのある音質とアンサンブル・声楽がマッチした珠玉の一枚である。
1950年代のレコードとしては最高の盤質と思われる。LPモノラル時代もの質に高い録音を如実に表現している。
RCA/ソリア・シリーズの一枚。この盤にはホロヴッツが所有した絵画コレクションの小冊子が付属している。蛇足であるが、そのうちピカソとルオーの2点は現在日本の美術館が所有している。
カザルス・トリオ/ベートーヴェン「大公」。歴史的名盤として名高いことは周知である。もちろんSPレコードからのトランスファーである。ベーデンプラッテから届いた盤は完璧でSPの趣を残しつつLPレコード化されたことがよくかる質の高い盤であった。解説書も盛り沢山の内容であり、最後のページにSPからLPへの転換の推移がきちっと記されている。特に若い音楽愛好家にお薦めしたい一枚だと思います。
良い音にも色んな要素があると思いますが、中域すなわち人の音声がしっかり出ており、それに伴い低音・高音も伸びのある音に聴こえてくる。このような音はCD・SACDからは望めません。当盤は古き良き時代のレコード音楽の極地とも言えるものだと認識致しております。ベーレンプラッテさん提供の盤質も言うことが無いほど良質でした。オリジナル盤を堪能させていただいております。
過剰さのない、中庸な表現が好ましい。モーツァルト弦楽四重奏曲全曲を通して聴くにはもってこいの演奏だと思います。エレクトローラの音質そして盤質も言うことなし。
なんと懐かしいサウンドであろうか。子供の頃の楽しみは、手回し蓄音器と「竹ばり」。竹ばりは専用のハッサミがあって、穴が開いていた。そこに一曲聴くごとに差し込んで挟むと先端が削られて音が蘇る。SPレコード時代の話である。ヴァイオリンではハイフェツなどを良く聞いたが親父が借りてきたSPに聞いた事がない演奏家がいた。ポルタメントが妙に艶かしくヴァイオリンとはこんな風にも弾けるんだと思った。その演奏家はジャック・ティボーといったように覚えている。小学3年生の頃だ。その演奏家が日本に来るとも聞いたが、日本に来る途中に飛行機事故で死んだという。なぜか自然と涙が出たことを覚えている。演奏会の切符を買っていた人達はキャンセルをしないで寄付をしたという。なぜかティボーには思い入れがある。その演奏を再びLPで聴くことができてとても心が和む。その後、ヴァイオリンを学び東京芸術大学大学院を修了してNHKの音楽プロヂューサーとなり65歳で退職した。時々真木 礼のペンネームでCD紹介などをしている。
ポリーニの初来日は1974年、東京厚生年金会館であったと記憶している。2回席の一番前で聴いた。その時の曲目の一つが「さすらい人幻想曲」であった。労音の開催であったのでチケットは入手困難であったが、先輩の都合がつかないのでいただいた。再びLPを購入してその時の感激が蘇ってきた。世界にはピアニストは五万といるがこんなに表現力の優れたピアニストがいる事に驚かされた。このLPは当時を彷彿とさせる演奏である。