1番・3番・9番を聴いた。ベーレンプラッテさんの盤質は最高に良い状態。
まず1番、大好きな曲。モーツァルトの最後の交響曲と時期がかぶるためか、モーツァルト的とか言われるが、断固としてベートーヴェンでしかあり得ない。ちなみに1番Op.21は私の誕生日1月21日と符号する(笑)。
私の目論見がズバリあたり、全曲にわたり超スローテンポ。やや、朝比奈隆を彷彿させる。ちなみに宇野功芳さんなら、「実に堂々とした演奏。他の指揮者にはブロムシュテットの爪の垢を煎じて飲ませたい。この演奏を凌駕出来るのはクナッパーシュブッシュぐらいだろう。」と論評するだろう(笑)。
交響曲第9番は第4楽章の眼目である
Seid umschlungen, Millionen!
Diesen Kuss der ganzen Welt!
Br〓der, 〓ber'm Sternenzelt
Mu〓 ein lieber Vater wohnen.
に向かうプロセスにあると考える。ブロムシュテットさんはその点をよく留意し、演奏されていると思う。「ザイト、ウムシュルンゲン、ミリオーネン」の歌唱が最高に輝いている。
全体的にスローペースでじっくり丁寧に演奏された全集であると思う。現在の「レコード芸術」誌(音楽の友社)では無印だろうけれど。
このような丁寧な演奏を1975年~1980年にされていたからこそ、今も輝くブロムシュテットさんがあるのだろうと推察いたします。
私としてはずっと聴き続けたい、大満足の全集でした。ベーレンプラッテさんありがとうございます。