この文章は、ステレオサウンド誌第204号の当店の広告ページに店主が書いたものです。
LPで聴くラトルのべートーヴェン
数年前から、ドイツの、いや世界一の名門のオーケストラのひとつ、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団(BPO)は、自らのレーベル(ベルリンフィルレコーディング)を立ち上げ、インターネットを使ったコンサートの配信(デジタルコンサートホール)やCD・LP・DVDのリリースなど、積極的にマーケットに進出してきた。オーディオファイルには、昨年リリースされた、「ダイレクトカット! ブラームス/交響曲全集」が記憶に新しいが、先日、また魅力的な「新譜LP」がリリースされた。(6月21日リリース)
現在のBPOの音楽監督である、サイモン・ラトル指揮のベートーヴェンの交響曲全集がそれである。(10LPのセット)
これは、昨年発売されたCDと同じ演奏(2015年秋のベートーヴェン/交響曲全曲演奏会のベルリンライヴ)を素材としながらも、聴こえてくる音楽のイメージや音場感は全く違うという、非常にユニークなものである。
ここからは、それらの試聴記である。
まずはCD。これは、最近の多くのオーケストラ録音と同様に多くのマイクロフォンを使用した「マルチマイク」形式。(もちろん、ハイレゾ録音)
聴いてみると、各楽器の分離が非常に良く、なおかつオーケストラ全体のバランスも非常に良く整えられて、最近のオーケストラ録音の中でも出色である。それは、CDセットに付いているハイレゾ音源(ブルーレイディスクやダウンロードされたソース)を聴けば、さらに明白となる。現代のオーケストラのHIFI録音の見本のように感じる。すでに、このCDや音源をお持ちの方は、かなり多いのではないか?
次にLPを聴いてみる。
聴きはじめると、CD(ハイレゾ録音)とは全く違う音場にハッとさせられる。
CDとは対照的に、各楽器の分離があまり良くないのだ。
ちょっと失望しながらも聴き続ける。すると、「こちらの方が生演奏のイメージに近い」ことに気付かされる。
LPの方が、聴く者の目の前で、ベルリンフィルがフィルハーモニーホールの中でふわっと展開する感じが濃厚である。そして、各楽器のソロも、実に自然にオーケストラの音の洪水の中から、ぽっと浮かびあがってくる。
それもそのはず、こちらは、基本的にはマイクを二本しか使わない「ワンポイント方式」を採用しているのである。なるほど、と思いながら、いつしか、ベルリンフィルホールにいるような感覚に包まれ、大変楽しく聴くことができた。(この感じは、昨年のダイレクトカットの「ブラームス」と同じ。)
もちろん、最新技術を惜しげもなく投入したCD(ハイレゾ録音)の鮮烈な音も非常に魅力的である。是非とも、両方を聴き比べていただきたいものである。
今回、LPを購入すると、ワンポイント録音の方のハイレゾ音源をダウンロードできるパスワードもついてくるという特典がある。(CDセットには、マルチマイク方式のハイレゾ録音のパスワードが付属。)つまり、「ワンポイント録音」も「マルチマイク録音」もハイレゾで両方楽しめるということだ。
ただし、LPは全世界2000セット限定(日本への割り当ては500セットで再プレスの予定はなし。)であるから、できるだけお早目のご購入をおすすめする。
実は、当店では日本での割り当て数の約1割を確保したが、本日(8月初旬)の在庫数は、一桁となってしまった。もちろん、これらがなくなれば、追加オーダーを出すが、その時点で、メーカーに在庫があるかどうかは保証できない。
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https://www.lpshop-b-platte.com/SHOP/KKC1070.html名曲・名盤の中古輸入レコードを扱う【ベーレンプラッテ】では、一枚一枚直接チェックした商品を販売しています。また、輸入レコードは買い付けしたものをそのまま販売するのではなく、出荷前にクリーニングマンシンで洗浄し、丁寧に梱包してお届けします。ミントからニアミント・コンディションの輸入レコードを、厳選して取り扱っていますので、こだわりの一枚をお探しの方は、ぜひ利用をご検討ください。
ショップ名 | 輸入クラシックLP専門店 ベーレンプラッテ |
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販売業者 | ベーレンプラッテ |
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