かれこれ2年程前に購入。恥ずかしながら45歳を過ぎても未聴であった。購入以来、今日まで事あるごとに聴いているが、これは真の名盤であった。それもちょっと信じられない程の。クナッパーツブッシュは、頑固にインテンポを守りながら、淡々と音楽を進めていくが、そこにはうまく言葉では表現できない深みがあり、ブルックナーの神髄を見事に捉えている。ウィーンフィルの音色も温かみがあって良い。このオケは、指揮者の言うことをあまり聞かず、自分達のやりたいようにやるオケだという噂があるが、フルトヴェングラーやクナッパーツブッシュ級の指揮者の言うことには素直に従ったと思われる。結果、歴史的な名盤を生んでいる。これもその一つだ。独DECCAのわりと初期のころのLPだと思うが、音が非常に良い。良心的なエンジニアの仕事ぶりだ。このLPはベーレンプラッテで購入した初めてのレコード2枚のうちの1枚である。非常に良い出会いが出来たと思う。感謝。